花王株式会社

花王株式会社

花王株式会社

Customer Profile
所在地    本社:東京都中央区日本橋茅場町1-14-10
創業    1887年6月
資本金    854億円(2014年12月31日現在)
事業内容
家庭用製品、化粧品、産業用化学製品、 業務用製品の製造・販売
連結売上高
1兆4,017億円(2014年12月期 連結)

グローバル事業の強化を目的に、品目マスタ管理システムを統合。
日本、欧米、アジアの共通システム導入で効率的なマスタ管理を狙う。

「自然と調和するこころ豊かな毎日をめざして」というコーポレートメッセージに基づき、家庭向け、工業向けに、高付加価値の商品やサービスを提供し続ける花王株式会社。
日本、欧米、アジアに展開するグローバルビジネスの強化を目的に、拠点ごとに行われていたマスタ管理をクラウドサービス上で一元管理できる仕組みを構築した。

専門コンサルタント

専門分野

ERPを活用したグローバル経営基盤構築
保守運用・業務改善
SCM (サプライチェーンマネジメント)

実施プロジェクト

日系大手消費財/ハイテクメーカーのグローバル経営基盤構築から保守運用
電力各社における間接部門業務効率化
外資系アパレル・フットウェアーメーカーのSCM構築・改善

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課題

日本、欧米、アジア、それぞれに管理されているマスタの一元管理 新製品が増えると品目コードが枯渇する 将来的に得意先マスタや仕入先マスタの統合を見据えた基盤構築

ソリューション

日本初のSAP MDG(Master Data Governance)の導入プロジェクトを支援 クラウドサービスにおけるSAP MDGの稼働 SAP MDGをハブとしたグローバル基盤の実現

成功のポイント

ワークフローのシステム化による迅速な承認作業の実現 品目コードの桁数を拡張して枯渇問題を解消 クラウドサービスの採用で導入期間を短縮し、コストを削減

Story(プロジェクト概要)

品目マスタをグローバル一元管理することで、グローバルにシステムを導入する期間を短縮できるほか、コスト削減や運用の作業負荷軽減などの効果が期待できます。
 

花王株式会社 情報システム部門 ビジネスシステム部 部長(SCM担当)

金田 健一氏

プロジェクトの背景

「よきモノづくり」で革新的な商品を開発。
日本、欧米、アジア地域でビジネスを展開

消費者や顧客の立場に立った「よきモノづくり」を通じて、世界の人々の豊かな生活文化の実現に貢献することをめざす花王株式会社(以下、花王)。同社は、研究開発により革新的な商品の創造に取り組み、安全・安心に使える高品質な製品づくりで知られている。また、商品開発から販売まで、サプライチェーンマネジメントの全体最適により、安定した製品供給を実現し、商品のベネフィットを正しく伝え、選びやすく買いやすい売り場づくりの提案活動などを展開している。

こうした「よきモノづくり」は「花王ウェイ(企業理念)」に基づき、化粧品やスキンケア、ヘアケアなどの「ビューティケア事業」、健康機能飲料やサニタリー製品などの「ヒューマンヘルスケア事業」、衣料用洗剤や住居用洗剤などの「ファブリック&ホームケア事業」の3つの分野で一般消費者向けのコンシューマープロダクツ事業を、また「ケミカル事業」により産業界のニーズにきめ細かく対応した工業用製品を、日本、欧米、アジアで展開している。

花王では、グローバルにビジネスを展開するための基幹システムとしてSAP ERPを導入しているが、日本、欧米、アジアで、それぞれ独立した品目マスタを所有しており、花王グループ全製品が登録された品目マスタが存在していなかった。この分散された品目マスタを統合するための品目マスタ管理システム再構築プロジェクトを、アビームコンサルティング(以下、アビーム)が強力に支援している。

アビームの選定理由

ABSプロジェクトから続くサポート。
花王の業務を熟知していることを評価

SAP MDGの導入プロジェクトをサポートするパートナーとして、アビームが選定されたのは、これまでの実績と信頼関係である。花王では、2000年10月よりABSプロジェクトを展開していたが、このABSプロジェクトを、アビームの前身であるデロイトトーマツコンサルティング(2003年11月にアビームに社名変更)がサポートしている。

花王 情報システム部門 ビジネスシステム部 SCMグループ 森実孝則氏は、
「当時より、アビームの技術力や知見、提案力は、他社と比べて大きな差があると感じていました。長期にわたり花王のシステムをサポートしており、花王の業務をよく理解していることを高く評価して、アビームの採用が決まりました。また、稼動を迎えた今感じるのは、我々花王社員の立場に立って取り組む姿勢が見られ、様々な課題に直面し苦労が絶えなかったプロジェクトにおいても一体感を持って対応してくれたことに感謝しています」
と話している。

プロジェクトを推進する上での課題

基幹業務システムはSAP ERPで統合されたが、
日本、欧米、アジアで別々の品目マスタが存在

花王では、2000年10月より2004年末までの期間、アジア地域の各拠点にSAP ERPを導入する「ABS(Asia Business Synchronization)」プロジェクトを展開している。このABSプロジェクトにより、家庭用品および化学品の販売、物流、生産、調達という一連のサプライチェーンや会計システムをSAP ERPで標準化した。
ABSプロジェクトで標準化されたSAP ERPのテンプレートを活用し、2007年から2009年までの期間で、日本の拠点にもSAP ERPを導入。これにより、基幹業務システムをグローバルで標準化した。SAP ERPの導入で、インフラは統合できたが、業務システムで使用するマスタデータに関しては、日本、欧米、アジアで、ばらばらに管理されていた。
花王 情報システム部門 ビジネスシステム部 部長(SCM担当)の金田健一氏は、「モノの供給がグローバルに拡大していくなか、日本、欧米、アジアで、それぞれに運用していた品目マスタを共通化することが必要でした」と語る。

そのほか、花王グループで取り扱う商品数の増加に伴い、現状の桁数では、数年後にはコードがなくなるという課題があり、早急に品目コードの桁数を拡張することも必要だった。

課題解決のソリューション

MDM、自社開発を経てSAP MDGの導入を決定

花王の品目マスタ統合は、3つのフェーズで説明することができる。まずフェーズ1では、2007年よりMDMシステムの基本構想を策定し、2008年にMDMシステムの検討を開始。2009年に日本の拠点にSAP ERPを導入すると同時にMDMシステムを導入した。しかしこのMDMシステムは、花王の業務要件に合わず、導入しただけで有効活用には至らなかった。

次にフェーズ2として、2010年より花王の要件に合致したMDMシステムを自社開発するためのシステム調査を開始。2011年に要件定義を行い、2012年にシステム化の検討を実施したが、基幹業務インフラとしてSAP ERPを採用していたことから、SAP ERPのマスタを生かしたシステム構築ができないか、再度検討することになる。

フェーズ3では、2013年12月に、ちょうど良いタイミングでSAPのMDMソリューションである「SAP Master Data Governance(SAP MDG)」が登場したことから、SAP MDGのトライアルを実施。トライアルで一定の成果を確認できたことから、2014年よりSAP MDGの導入プロジェクトをスタートし、同年5月から7月までの期間で現行業務やシステムの分析、要件定義、プロトタイプ検証などの計画フェーズを実施。システム開発、単体テスト、統合テストなどの導入フェーズを行い、2015年7月に本番稼働した。

アビームでは、2014年のSAP MDG導入プロジェクトより本格的に参画。導入、稼働後のサポートまでの一貫したサポートを提供している。特に、最新バージョンを導入するにあたり、技術者が皆無であったため、SAPの開発元、技術者と花王とのやり取りを、ユーザーサイドの視点でサポートすることでプロジェクトを支援している。

また今回、花王がSAP MDGの導入の日本のファーストユーザーであったことから、約2カ月かけて計画フェーズを実施した。このときのSAP MDGの機能では、花王が必要とするすべての要件に対応できないことが判明し、設計フェーズから開発フェーズに至るまでに約1カ月の確認作業が必要になった。

花王 情報システム部門 ビジネスシステム部 CEグループ グループリーダーの大嶋一也氏は、
「確認作業では、SAP本社から開発担当者を招き、懸念している仕組みについての確認、ロジックの修正を実施した結果、無事に開発フェーズにこぎ着けました。このとき、SAP本社とのやり取りにおいて、アビームのサポートは非常に的確であったため、最小限の影響で遂行することができました。開発フェーズ以降も、新システムが故の課題も発生しましたが、アビームの進捗管理力及び課題管理力のおかげで無事稼動を迎えることができました」
と話している。

導入効果と今後の展望

SAP MDGの導入で品目マスタを一元管理
将来は得意先・仕入先マスタにも展開

花王では、SAP MDGを導入することで、ワークフロー、権限管理、一括登録、業務プロセスとの整合性の確保、マスタ項目チェックなどの機能で構成される、シンプルな品目マスタ管理システムを実現した。

SAP ERPとの親和性、外部システムとの連携性も高く、既存システムの動作も保証されている。
さらに花王では、1900年代から品目マスタを更新し続けているが、品目マスタのデータは、簡単に削除ができないために、過去に登録された品目コードですでに使われていないものが数多く品目マスタの中に残っていた。
この品目マスタを再構築し、データをきれいな状態に戻さなければ、グローバル展開は困難であると判断。今回のプロジェクトで、品目マスタのクレンジングを行うとともに、桁数拡張を実現している。

金田氏は、「これまでは品目マスタの根幹に手をいれることができず、つぎはぎされた状態でしたが、これを整理することができたことは、SAP MDGを導入した効果の1つでした。これにより、グローバルでの取引の作業負荷を大幅に低減することができました」と話す。
以前は、同じ品目であっても、日本、欧米、アジアで、それぞれに品目コードを登録する必要があり、品目マスタの内容もオペレーションもばらばらだった。SAP MDGを導入したことで、品目マスタのオペレーションを、グローバルで一元管理することを狙う。

 クラウドサービスを利用することで、システムの調達から導入、構築、運用、保守までの構築期間を短縮できるほか、コスト削減や運用の作業負荷軽減などの効果が期待されている。
花王 情報システム部門 ICT部 情報技術グループ 兼 ビジネスシステム部 コーポレートサービスグループ会計 担当部長の浜村靖志氏は、クラウドサービスの効果について
「オンプレミスでは、サーバなどを調達して、各拠点に設置し、業務システムを導入して、それぞれに運用管理することが必要です。クラウドサービスを利用することで、日本、欧米、アジアのシステムを、集中管理することを狙っています」と語る。

 今回のプロジェクトでは、品目マスタの一元管理の基盤構築を実現しただけなので、ビジネス面での効果が得られるのはもう少し先になる。将来的に、グローバルでオペレーションが統一されることにより、売上や収益の管理が容易になることが期待されている。
今後の取り組みについて浜村氏は、
「将来的には、得意先マスタや仕入先マスタもSAP MDGで統合し、グローバルに一元管理することを検討しています。さらに最終的な目標として、SAP MDGをハブとして、日本、アジア、欧米のマスタの一元管理を目指しており、今後もアビームの提案力やサポート力には、大いに期待しています」
と話している。

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