プロジェクト紹介

©MONTEDIO YAMAGATA

Jリーグクラブチーム
「モンテディオ山形」
世界でも類を見ない経営支援プロジェクト。

公益社団法人 山形県スポーツ振興21世紀協会
株式会社モンテディオ山形

アビームは2013年から「モンテディオ山形」の運営を行う株式会社モンテディオ山形の出資者として、法人の立ち上げから経営企画室の業務を担い、経営支援を行っています。コンサルティングファームがプロサッカークラブの経営改革に取り組む事例は世界的に見ても類を見ないもので、アビームとしても新たな挑戦です。

プロジェクトメンバー紹介

1.
J1に再昇格し、更に定着していくための選択肢とは。

Jリーグ100年構想のもと、Jリーグのクラブチームはそれぞれの地域で「地域の活性化」を掲げ、地域密着型の経営を実施しています。一方で地域クラブはいわゆる“ビッグスポンサー”を持たないクラブも多く、Jリーグで戦い続けるための経営基盤を確保すべく、様々な工夫と取組みによって収益をあげているのが実情です。

そのような環境において、2013シーズンのJ1、J2全40チームのうち、モンテディオ山形のみ公益社団法人が運営母体であり、その他はすべて株式会社が運営していました。公益社団法人は公共利益の追求が目的であり、地方公共団体などから大きな支援を受けて運営できるというメリットがある反面、税制優遇を受けているため、公共性を有しない収益事業を行うことはできません。そのためJ2への降格となった2012シーズンは、刷新された法人理事会に「J1昇格、定着」という命題が課され、新たな運営形態への展開に向け、どのような処方箋を描くべきか、その骨格の検討が進められました。折しも公益法人制度改革により、それまでの社団法人から公益社団法人へと歩みを進めた運営母体である山形県スポーツ振興21世紀協会は、さらなる経営基盤の拡大に向けて、運営法人の株式会社化も視野に入れ、共にこれらを実現していくためのパートナー公募に踏み切ったのです。

私たちはこれまでパブリックセクターにて様々な業務を通じて培ってきた地域活性化や企業再生、経営改革の知見をもとに、モンテディオ山形がこれまで築き上げてきた“地域との繋がりや主体性”を損なうことなく、経営基盤を着実に拡大できる手段とは何かを考えました。ビックスポンサーの招聘による経営基盤拡大は一見して良策のように見えますが、拠出額が多くなればなるほどスポンサーの意向が強くなり、地域の主体性は失われます。私たちは「地域性の確保」こそが本取組みにおいて決して忘れてはならないポイントであると考え、モンテディオ山形がJ1へ再昇格し、継続的に活躍し続けるために最低でも20億円の事業規模が必要であると試算し、“地域のクラブとしての強みを継続させながら”営利のために戦略をもって事業運営できるビジョンを提案したのです。

©2016 MONTEDIO YAMAGATA
2.
肌で感じたモンテディオ山形サポーターの期待。

さらに私たちは具体的な経営方針として、モンテディオ山形のクラブチーム運営だけでなく、ホームスタジアムを含む山形県総合運動公園やその他の公園を管理する事業(指定管理事業)への取組みを提案。トップチーム経営に加えてスタジアム運営というソフト・ハード両面からのアプローチにより、ビジネスチャンスを逃すことなく事業拡大を図る構想を掲げました。こうした提案の結果、アビームは2013年6月にモンテディオ山形を運営する公益社団法人山形県スポーツ振興21世紀協会から正式に事業パートナーとして選定され、経営に参画することが決定しました。

山形という地域の色を失うことなく地域の皆さんと強いチームをつくりあげていくためにも、また、アビームとしても深く現場に入り込んで長いスパンで成果を出していくという覚悟を示すためにも、私たちは新たに設立した株式会社に49%の資本を出資して株主となりました。私たちプロジェクトメンバーも、山形に常駐して経営を支援するプロジェクト体制をとっています。

当社の参画が決まったあとの2013年6月15日。ザスパ草津群馬対モンテディオ山形戦ではアウェイゲームであったにも関わらず、モンテディオ山形のサポーター席に「ようこそアビームコンサルティング・山形の未来を切り拓こう!」という手づくりの横断幕が掲げられました。これを目にしたとき、私たちに対する期待値の高さを肌で感じました。「これだけの期待を決して裏切ってはいけない」メンバー全員の中に責任感が芽生えた瞬間でもあり、いまもプロジェクトメンバーのモチベーションの原点は、このサポーターからの横断幕に尽きると思っています。

3.
山形の地域特性を活かしたクラブ運営、1年で醸成した変化と、掴んだJ1昇格。

現在、アビームメンバーは“経営企画室”という組織を担い、社員の皆さまや監督、選手、クラブチームスタッフと相互に連携・協力しながら、様々な取組みを行っています。

まず実現したことは、管理会計の導入です。スポーツ興業は集客数に大きく影響を受けるため、刻々と変化する経営状況を的確に捕捉し予実を迅速に把握することで、適切な打ち手を講じることのできる体制を整えました。

CRMの分野では来場者層の調査も実施しています。山形は日本でも有数の農業立県。お米やサクランボ、ラ・フランスなど1年を通じて味覚に溢れています。そんな土地柄か、稲刈りのピークになるとシニア層の来場者数が減少するという地域特性も数字でみえてきました。これまでの経験則に加えて数字を見ることで、顧客セグメントと時期を見据えた新たな集客企画が展開できる準備が整いました。

また、管理会計が軌道に乗ったことで、ほぼリアルタイムで経営状況を数値化でき、経営陣が状況を把握できるようになりました。これにより、社長からフロントのみならずチームも含め全社的に経営状況のメッセージを発信できるようになり、組織全体で経営への意識が高まって、集客が落ち込んでいるときには、監督、選手、フロントの社員一人ひとりが一体となって集客改善に向けた取組みを実施できました。

それに呼応するように、チームも後半戦から調子をあげ、「ハードワーク、ハイプレスの山形」というスタイルを確立。シーズンに並行して開催される天皇杯では、レギュラーメンバーを変更して挑むチームも多いなか、モンテディオ山形は二兎を追う者は一兎をも得ずというネガティブ思考ではなく、“二兎を追うものだけが二兎を得る”というポジティブ思考でレギュラーメンバーにて果敢にチャレンジし、J1昇格プレーオフでの勝利と天皇杯準優勝という結果を残すことができました。選手、監督、チームスタッフとフロント全社員、そして経営企画室である私たちが連携・協力して起こした“小さな化学反応”が、このようなストーリーを産み出すキッカケになったのではと思います。

一試合一試合の勝敗が経営に大きく影響を与えるプロスポーツクラブの経営は、アビームにとっても新たな領域です。これまでのロジック通りでは通用しないこともあり、常に挑戦の日々。私たちコンサルタントにとっても新しい成長の場になっています。残念ながら2016シーズンはJ1再昇格を果たせませんでしたが、大企業を持つビッグクラブではないプロビンチャ(規模が大きくない地方都市のクラブ)でも、J1で十分戦えることは2015シーズンで証明済みです。2017シーズンは「J1で戦えるチームの構築」をテーマに核となる選手の残留と弱みの重点的な補強を行い、モンテディオ山形のサポーター、スポンサーの皆さま、監督、選手、チームスタッフ及びフロント社員の皆さまと共に、J1復帰を目指します。

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プロジェクトメンバー

社会インフラサービス・
コンシューマービジネス統括事業部
シニアマネージャー 横内 崇 2009年 中途入社

通信系事業会社にて、民間・公共プロジェクトのプロジェクトリーダーを数多く経験。その後、新規事業の企画開発やプロジェクトマネージャーとして活躍し、2009年アビームに中途入社。モンテディオ山形プロジェクトにおいても、これまでの知見を活かしてプロジェクトをリードしている。

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